有機ELの今後 |
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価格今までは、携帯電話やデジカメなどの、数インチ程度の小さなディスプレイ用に使われてきましたが、ようやくソニーで有機ELテレビとして、製品化されました。 今のところ、月間の製造台数は、1000〜2000台が予定されており、販売実績がアップすれば、徐々に価格も下がってくるでしょう。 有機ELテレビのディスプレイの構造は、液晶・プラズマテレビよりもシンプルな作りになっていますので、元々、価格的な問題は、さほど大きな障害にならないと、予想されています。 また、ソニーだけでなく、サムソン、東芝、エプソンの他、大手の印刷会社も、有機ELテレビや関連製品の研究開発を行なっています。 そこから新製品が販売されれば、競争によってよりお求めやすい価格になってくるでしょう。 画面サイズ有機ELの有機層(発光層)には、「低分子タイプ」と「高分子タイプ」があります。その名の通り、分子構造が比較的シンプルなものと、複雑なものに分かれます。今のところ、低分子タイプの有機ELテレビは、実用段階に入っており、製品として販売されている携帯電話、デジカメ、テレビは全て、低分子タイプのものです。 この低分子タイプは、高分子タイプの有機物に比べて、製造しやすいメリットがあります。しかし、大画面のディスプレイを作るには、技術に難しいと考えられています。 逆に、高分子タイプでは、技術的問題点を解決できれば、大画面の有機ELテレビが可能になっています。 このため、液晶・プラズマテレビと同じように、大画面の有機ELテレビを楽しむためには、高分子タイプの製造技術が、欠かせないものになっています。 先日、エプソンからインクジェット技術を応用した、大画面の有機ELテレビの試作品が発表されていますので、3〜5年の内には30インチ前後の、有機ELテレビが販売されるのではないでしょうか。 なお、高分子タイプの有機ELでも、低分子タイプと同様に、ディスプレイの構造(薄さ)、画像の美しさ、応答速度、省エネなどのメリットがあります。 もし実用化されれば、「壁掛け大画面テレビ」の時代も、夢ではないのです。 用途有機ELテレビの特徴の1つに、有機物そのものが発光する自発光の性質があり、液晶テレビなどのバックライトが不要である点があります。また、ディスプレイ基板の材料は、必ずしもガラスである必要はなく、プラスチックやフィルム、あるいは紙であっても可能になっています。 これによって、平面だけでなく、曲面などの特殊な場所であっても、通常のテレビと同じように、映像を映し出すことができます。 このような材料を、基板に使うことができれば、 ・折りたたんだり、丸めることができるテレビやパソコンモニター ↓ 持ち運びできるテレビ ・大型の電飾看板 ↓ 設置が簡単で、なおかつ低コスト ・曲面の壁や柱、天井、床など、場所を選らばないで映像を写しだす ↓ どこでもテレビ ・テレビだけでなく、照明としても利用 ↓ 従来の蛍光灯よりも省エネ、設置が簡単でスペースもごくわずか など、これ以外にも様々な用途が考えられます。まさに、次世代の新素材といえます。 しかし、これらを実現するには、インクジェット印刷技術を応用して、大画面でかつ、低コストの有機ELディスプレイの、製造技術が必要になってきます。 上記の、画面サイズのところでも触れましたが、高分子タイプの有機物をディスプレイにする技術がクリアできれば、テレビだけでなく、特殊な有機ELの利用方法も、可能になってくるのです。
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